アニマルセラピーのAAAボランティア

AAA(動物介在活動)は医療関係者、施設スタッフ、ボランティアと動物など多くの関係者が連携することによって成り立つ活動ですが、それぞれの役割りや活動の進め方に定型的なマニュアルがあるわけではないので、関係者が自分の果たすべき役割りについて深く理解し、担当分野の中で最善を尽くすことが求められます。

中でもAAAにおける動物ボランティアの使命は重大で、活動における核心に近い部分を担う立場であると言えるでしょう。仮にAAAがセラピー対象者に良い影響を与えることができずに終わったとすれば、その反省点の多くはボランティアの回りにあると思われます。

AAAの基本単位は、セラピー対象者と動物とボランティアの3者の関係です。セラピー対象者の数によって、必要な動物とボランティアも増え、医療関係者や施設のスタッフ、ボランティアの取りまとめ役なども必要になります。

AAAボランティアに求められること


一般論として「人や社会のために役立ちたい」と言う気持ちは多くの人が持っていると考えられます。さらに「自分が飼育する動物が貢献できるなら進んで参加したい」と動物ボランティアを希望する人も多くいます。

ボランティア活動は、自発、無償、利他に基づく活動です。AAAの動物ボランティアには、強い利他性が求められ、効果の確認までに一定期間を要する活動であるため「継続性」も求められます。漠然としたボランティア活動への参加志向では動物ボランティアの重責は果たせません。

AAAに参加しようとするボランティアは、AAAの意義について正しく理解し、自分と動物が「チームの一員として重責を果たせるのか」を厳正に評価した上で参加すべきと言えるでしょう。

AAAボランテイアは、訪問先によっては高齢者に多い病気や人の精神疾患についての基本的な知識をもつことも必要です。

高齢者や年少者、障害者など、あらゆるセラピ一対象者との間に、対象者本位の会話を通じて友好的な雰囲気を作り出すことができなければなりません。活動で関わる施設のスタッフや他のボランティアとも協調性をもって行動し、「人からも学ぶ」という謙虚な気持をもって行動する必要があります。

ボランティアはあくまで動物とセラピ一対象者をサポ一トする立場であり、主役としてのセラピ一対象者と動物の間に親密な関係を作り出し、おだやかな時間を提供するのが使命です。

動物ボランティアの責務


・セラピー動物の健康管理とトレーニング
・人畜共通感染症予防など獣医学の基礎知識をもつこと
・動物を確実にコントロールする技能をもつこと
・医療施設など訪問先の衛生上の制約をクリアーすること
・セラピー対象者と対話を通じて友好的な関係が築けること
・チームとして協調性をもって活動できること
・継続的に活動できること

ボランティアと動物


AAAに参加する動物の健康管理や、人との親和性を保つトレーニングなどはボランティアの仕事です。

セラピー動物の飼育者がボランティア自身であるケースが多いと思われますが、仮に他の飼育者から動物を借りてくる場合であっても、動物とボランティアの間には安定した信頼関係が構築されていなければなりません。

動物とボランティアの関係が良好でなければ、セラピー動物としての資質は優れていてもセラピー対象者に良い影響は与えません。動物に対してボランティアが威圧的であったり、無理強いをしたり、動物がボランティアに対してストレスを感じている状況では会場の雰囲気を損ない、セラピー対象者に嫌悪感を与える結果となってしまいます。

セラピー動物は、自宅ではない環境でも、多くの人や他の動物が居る環境でも、落ち着いており、ボランティアが確実にコントロールできるようにトレーニングされていなければなりません。

一般社団法人国際家庭犬トレーニング協会
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