カウンセリング

カウンセリングとは、カウンセル(相談、助言する)の名詞形であり、相談に応じたり、助言をすることを指します。一般的には特定の分野についてトレーニングを受けた専門家が、相談者に対して言語的手段によって援助することと解釈されています。



日本でカウンセリングと呼ばれるものの多くは、特に心理的な問題や悩みについての援助を目的とするものを指します。

カウンセリングの基盤をなすのはカウンセリング心理学、臨床心理学で、あくまでもカウンセリングを受ける人の心への対応を言います。また、カウンセリングに近い概念としては、心理的問題や精神医学的な障害への治療を目的とする心理療法や精神療法があります。

日本では狭義のカウンセリング以外にも、結婚、美容、健康、法律など多様な分野における相談行為をカウンセリングと呼ぶ傾向があります。

カウンセリングとは聴くこと


相談者がカウンセリングを希望する時は「聞きたい」という欲求をもっているのではなく「話したい」と思っていると考えてよいでしょう。「カウンセリングとは聴くこと」という考え方は、どのような目的で行なわれるカウンセリングに際しても正論と言えます。

カウンセリングを行う人をカウンセラーと呼びます。相談者がカウンセラーに対し自分自身を語ることによって、心的な症状が緩和されていくことは証明されています。

話を「聞く」だけなら誰にでもできそうですが、カウンセラーが相談内容についての専門知識を有すること、相談者がどのような内容の発言をしても相談者自身のマイナスにならないことが保証されていなければなりません。

相談者は聞き手としてのカウンセラーに自分自身を語り、語ることによって自分自身を受け入れ、徐々に症状を緩和して行くのです。つまり、人は自らに備わった治癒能力(セルフケア行動)によってのみ、自らの心的症状を緩和することができるのです。

カウンセラーが相談内容に関連する専門知識を持つことは必要ですが、その専門知識をもって話すのではなく、聴く態度に徹することが肝要です。専門知識は質問された場合にだけ生かせば充分なのです。

健常な人も、心的に問題を抱える相談者も、一様に「話したい」衝動をもっています。日常生活においても、友人や家族の話を「聞く」ことは、説くことより有益です。すぐれたカウンセラーとは聞き上手のことであると言えるでしょう。僧侶や神父も、多くの人の悩みを「聞く」ことによって救済してきました。

答えは相談者が用意している


相談者が解決したい問題を抱えている時、往々にして相談者自身が、既にその問題に対する答えを用意していることが多いものです。「旅行がしたい」 と言う相談者は、既に行き先や日程、服装まで決めていることが多く、自分の計画に「賛同してほしい」 と思っていることがほとんどです。

カウンセラーにアドバイスを求める場合でも、相談者は既に自ら答えを出していて、けれどそれに気がついていないことが多いものです。カウンセラーの役割りは、誠実な態度に終止して相談者と向き合い、相談者自らがすでに導き出している「答え」に気づかせることにあります。

カウンセラーの使命


カウンセラーは、相談者の話を真剣に聴き、相談者の気持ちを受け入れ、相談者の人格を容認するよう努めなければなりません。常識や倫理観に捕われず相談者を理解し、相談内容を公正に観察、評価することによって、相談者の信頼を獲得しなければ有効なカウンセリングは成り立たないでしょう。

また、カウンセラーは無難な結論に向かって相談者を誘導してはなりません。そして相談者が歩み始める第一歩は、相談者の自発的な一歩でなければなりません。カウンセラーは相談者と同じ場所に立ち、支えてあげる良き理解者、変わろうとしている人の良き支援者でなることが肝要なのです。

相談者が自己実現の糸口を自ら発見できることを目的とし、相談者を健全な方向に導くために、相談者といかに笑顔を共有できるかがカウンセラーの使命と言えるでしょう。


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