ペットロスにおけるインテーク面接

インテーク面接とはカウンセラーと相談者との最初の面接のことを言います。受理面接、または初回面接とも呼ばれます。インテーク面接は、後のカウンセリングにおける情報の収集や方針の決定に大きく影響する重要なプロセスです。



インテーク面接の目的


インテーク面接の目的は2つあります。

( 1 )相談者との間でカウンセリングの内容と趣旨を明確にし、相談者にはカウンセリング治療に関する情報を提供すること。

( 2 )住所、氏名、生年月日、家族構成など相談者の情報や、カウンセリングに必要と思われる事項についての情報を収集すること。

カウンセラーはインテーク面接を通じて相談者が抱える問題の内容を把握し、この相談者にカウンセリングが可能か否かを判断する必要があります。さらに、おおまかなカウンセリングの方針を決めたり、問題解決の手がかりを掴んだりすることも重要です。

雰囲気作り


相談者にとっては初めての面接であり、緊張していることも多いものです。カウンセラーは受容的、共感的な態度で来談の意図を聴き、何を話しても良いと言う雰囲気作りに努めることが大切です。

インテーク面接の結果、相談者の問題解決に対する意欲が高まり、カウンセラーとの間に強い信頼関係が確立されることが最も重要です。

相談者を客観的に分析する


また、インテーク面接はカウンセラーが相談者の第一印象を客観的に分析できる唯一の機会でもあります。

相談者が語る内容のみならず、話し方の特徴、態度、服装、動作、同伴者がいる場合はその続柄など、非言語的な情報も注意深く観察し、相談者の人間像を把握するのに役立てることが大切です。その際には、カウンセラーから質問攻めにするのではなく、相談者側からの質問にも答えるように配慮します。

家族構成、生育歴、現在の生活状況、本人を取り囲む人間関係など、プライベートな事柄の質問は、ある程度信頼を得た段階で行うようにします。

情報提供


また、カウンセリング時間や料金、カウンセリング方針について相談者に情報を提供し、合意を得ることも必要です。インテーク面接で相談者に聞くべき事務的な情報はある程度決まっているので、定型化された質問書式を作っておいて記入してもらうのが良いでしょう。

相談者にとってカウンセリングが最も良い回復手段ではないと考えられる場合には、専門施設での診療を勧めるなどの情報提供を行います。

インテーク面接の進め方


( 1 )信頼関係の形成

挨拶とカウンセラーの自己紹介。
必要ならば、カウンセラーが有する資格の説明。
守秘義務に関する説明。
個人情報の取り扱いに関する説明。
相談者の個人情報の把握。
同居家族の動向を把握。

( 2 )飼育ペットの把握

種類、性別、愛称、飼育年数、飼育環境など。
ペットの身体的、性格的特徴。
ペット飼育について同居家族の関与の仕方。

( 3 )ペット喪失の経緯

時期、喪失の状況、喪失の原因。
動物病院との関わり(病名など)。
供養の方法。

( 4 )相談者の症状と相談内容の把握

症状、状態や生活上の問題点についての詳細。
相談者に身体の疾患がある場合、病歴、経過について。
来談に至った経緯と動機。

( 5 )ライフスタイルの観察

生活習慣を聞いて人生観を推定する。
ペット喪失以外の心理的、社会的ストレス要因の有無。
ペット喪失後の生活スケジュールの変化。

( 6 )性格、行動の観察

話し方、言葉遣い。
態度、姿勢、表情。

( 7 )カウンセリンク方針の説明

必要ならば、どんな理論に基づいてどんなカウンセリングを行うのか説明する。
カウンセリングの頻度を取り決める。

( 8 )アセスメント(査定、評価書)の作成

カウンセラーが保管し、今後のカウンセリングの資料とする。
(医師の専有事項である「診断」と言う言葉は用いない。)


一般社団法人国際家庭犬トレーニング協会
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