犬の骨の組成と構造

骨は脊椎動物だけに見られ、圧縮、引張り、ねじれに対し強固な構造をもち、体躯を支持するものです。骨は形成の過程により「結合組織骨」と「置換骨」に分けられます。


「結合組織骨」は造骨細胞が繊維状の蛋白基質を作り出し、繊維間の膠質にカルシウム、リン、炭酸塩などのミネラルの微粒子がビタミンDの力を借りて付着します。付着部分が次第に石灰化して物理的に堅固な骨が育成されます。結合組織骨は主として頭蓋などの扁平骨に見られます。

「置換骨」は胎仔内で形成された軟骨原器から形成され一般に長骨です。軟骨原器に造骨細胞が入り、骨幹から骨化が始まり、骨端にも骨化部位が現れます。骨髄と骨幹の境に成長板が形成されます。骨幹の中央では骨髄腔が成長します。

「骨膜」は骨の表面を被う硬質の線維性膜で、緻密骨質の形成と血液循環に重要な役割りを果たし、骨折の修復も行います。

「緻密骨質」は骨細胞が密に分布する堅固で緻密な部分で長骨においては骨幹では厚く、骨端では薄くなります。

「海綿骨質」は薄板の網状構造で海綿に似た髄小室を無数に持っています。髄小室には骨髄が保たれています。骨髄は骨質を形成するとともに赤血球、白血球、血小板等を作る造血組織です。骨表面の栄養孔から血管が入り骨髄と連絡しています。管状の骨では海綿骨質は骨端に集中しており、骨幹部には空洞状の「骨髄腔」が形成されています。

骨の成長に関与する「骨端軟骨」(成長板)は骨端と骨幹の境目に見られる軟骨層で、成長期の長骨で見られます。

形態による骨の分類


①長骨・・・体躯を支える棒状の骨。 両骨端と骨幹からなる。
骨端飲骨が骨端と骨幹の間に見られ成熟期に至るまで成長を続ける。
(橈骨・尺骨・腓骨・脛骨など)

②短骨・・・両端に関節面を持ち、緻密骨が薄く、主として海綿骨からなる。
(椎骨・手根骨・足根骨など)

③扁平骨・・・扁平で不揃いの骨。2層の薄い緻密骨の間に海綿骨を持つ。
重要な組織を保護している。(頭蓋骨・肋骨・肩甲骨など)

④種子骨・・・関節の筋肉内、腱内、靭帯内に形成される2m程度の小骨。
膝蓋骨は種子骨中最大のものである。
腱の動きに際し摩擦を軽減することや、支点を高くして筋肉の運動効率を高める。

骨格の4大機能


①犬体を支持する。 (テコの原理)
②内臟を保護する。 (特に胸部内臓器-心臓や肺を肋骨で囲んでいる)
③生産 (赤血球・白血球等の生産を行う-骨髄)
④貯蔵 (カルシウム・リンを貯蔵し必要に応じ引き出される)

犬の骨格


骨格は複数の骨の組み合わせによって形成され、筋肉が加わることによって運動器となります。犬の骨格は「体軸骨格」と「体肢骨格」に分けて考えるのが一般的です。

体軸骨格はさらに頭蓋と胴骨に分類されます。頭蓋は18種類の扁平な骨によって構成されており、成長とともに縫合結合が進むため、境界が明解でない部位や完全な癒合によって消失する骨もあります。極めて堅固な頭蓋の結合が脳を外界の衝撃から守っています。

胴骨は類椎骨、胸椎骨、腰椎骨、仙椎骨、尾椎骨と続く一連の脊柱と胸椎骨に付肋骨、さらに肋骨と繋がる胸骨とからなります。肋骨に囲まれた部分(胸郭)は弾力性に富み、心臓や肺などを保護しています。仙椎は生後に癒合が進み仙骨となり、仙骨に尾椎の一部と寛骨を加えて骨盤と骨盤腔には腸や生殖器、泌尿器がおさまっています。

体肢骨格は前肢と後肢で形は異なるものの、それぞれ相同の骨で形成されていると考えることができます。肩甲骨は後肢の腸骨と相同で、上腕骨-大腿骨、橈骨-脛骨、尺骨-腓骨と対比されます。犬では鎖骨が退化消失しているため、肩甲骨は胴骨と直接連結していません。 肩甲骨、すなわち前肢骨格は筋肉のみによって胴骨と繋がっています。 後肢では腸骨、恥骨、坐骨が結合して寛骨を形成します。

腸骨は脊柱の仙骨と関節結合するため、後肢骨格は体軸骨格に確実に結合しています。股関節を形成する寛骨臼は腸骨、恥骨、坐骨の結合部位上にあります。3個の骨は、始め軟骨によって結ばれ、やがて骨化して境界不明となり、さらに両の寛骨が中心線で結合され(骨盤結合)骨化して1個の寛骨になります。


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